カラーユニバーサルデザイン

バスや電車の広告で「この広告はカラーユニバーサルデザインを使用しています」という表示を見たことがある人は多いと思います。

「カラーユニバーサルデザイン」ってなんのこっちゃ?という人がほとんどだと思いますが、実は西洋では当たり前の考えで、色々な人に分かりやすいデザインを、というデザインの考え方を示しています。色々な人?みんな色の見え方は一緒じゃないの?と思われる人が多いかもしれませんが、実は40人クラスに1人の割合で「色弱」や「色盲」といわれる人が存在するとされています。

「色弱」や「色盲」は現在では「色覚異常」と一般的には言われており、生まれつき遺伝子の関係で色の見え方が他の人と違っていたり、また脳や目の病気で色の見え方が変わったりする人もいます。近年、高齢化が進む中、年齢による色覚異常の人も増えてきました。

色覚異常の人が見分けにくい色の組み合わせ例

色覚異常にはタイプや程度の違いがありますので、ここに載せた色の組み合わせは目安です。

この組み合わせを見て、何か気付くことはありませんか?

よく見てみると、組み合わせている色の鮮やかさや明るさが似ていると思いませんか?

色の鮮やかさや明るさを表すカラーの言語を「トーン」と言いますが、デザインを考えるとき、一般的にトーンが統一されたデザインが良いとされています。しかし、トーンが統一されたデザインは色覚異常の人にはとても見づらいデザインとなってしまいます。

近年、カラーコーディネーターの現場ではこの「カラーユニバーサルデザイン」を意識した色選びを求められるようになってきています。例えば、WEBサイトなどネット環境のデザインは見る人の数が圧倒的に多いため、カラーユニバーサルデザインの導入が必須と言えます。

カラーコーディネーター検定の中にはカラーユニバーサルデザインについての知識を問われる問題がここ何年かで必ずと言っていいほど出てくるようになりました。

しかし色覚異常を持って生まれた子供にとって大切なのは知識や気遣いだけではなく、様々な可能性を信じてあげることだと思います。色覚異常を持って生まれた子供は、視覚での判別が難しい分、聴覚や触覚など他の部分がかなり優れている場合が多いです。「何ができない」ではなく「何ができる」をぜひ探してあげてください。

K・N

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