【西出夫妻インタビューその2】発達障害としての困りごとと生活がしやすくなるためのヒント:西出光さん

こんにちは。
就労支援員の田中です。

インタビューの第二弾は、西出光さんにさせていただきました。

前回はこちら

コンフィデンス日本橋 中央区日本橋の障害者就労移行・定着支援事業所

発達障害をもちながら、画家・グラフィックデザイナーとして活躍されている西出弥加さんへのインタビューです。アスペルガー症候群の当事者としての困りごとやスキルを高めていくための方法、同じ特性の方へのメッセージなど[…]

光さんは、前回出演いただいた西出弥加さんの旦那さんであり、発達障害の当事者として、当事者向けの講演会などを積極的に行なっている活動的な方です。

2月1日(土)には、光さんと一緒にイベントを開催する予定になっております。ご興味のある方は是非参加してください。

コンフィデンス日本橋 中央区日本橋の障害者就労移行・定着支援事業所

こんにちは。 コンフィデンス日本橋です。 本日は、イベントのお知らせです。 きたる2020年2月1日(土)にコンフィデンス日本橋で、下記のようなイベントを行うこととなりました。 ADHD当事者、発達障 […][…]

西出光さんのプロフィール

大手企業に入社後うつ病を発症し、同時に発達障害(ADHD)と知る。現在は生きづらさを抱えた当事者に取材を行い、同じ悩みを持った方の相談を受けたり講演会の実施やメディア出演を行う。西出光ツイッター

ご自身の障害について

–早速ですが、まずは光さんの障害について教えてもらえますか?

光:僕は、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。大きな特徴として、抜けや不注意が人より多い点が挙げられます。ただ僕はADD(注意欠陥障害)で多動がないため、クラスで走り回ってということはありませんでした。大人になるまで特性は目立たず気づいたのは最近です。

–どんな困りごとがありますか?
光:外出時の電気を消し忘れや、鍵をかけ忘れであったり、財布を紛失するということが多いですね。

–発達障害の診断を受けた後、どのように障害と向き合ったのでしょうか?
光:元々、自分自身にそのような傾向があることは気づいていたので、ショックはありませんでした。受け入れると言うより立ち向かうという感じで過ごしていたと思います。

–今も”立ち向かって”いるのですか?
光:はい。できないことを少しずつ減らしていこうと思い続けています。一年前とかだと、ICカード(交通系)を20枚ほど持ってたり、飲みかけのペットボトルを冷蔵庫に沢山入れてしまうような状態でしたが、常に見直しするようにしているので、今はかなり減っています。

–ご自身で工夫をされてきてるんですね。ちなみに、光さんは、障害といえども努力で改善できる部分が多くあると考えていらっしゃるのでしょうか?

光:方法と環境次第で、改善することは可能だと思います。個人的には、障害の特性に対する配慮や理解は必要ですが、迷惑をかけていい理由にはならないと感じます。少なくとも、他人に迷惑をかけない努力は必要だと考えています。

–光さんが日常生活の中で困ることって他にもありますか?
光:常に頭の中が落ち着かないことはあります。目の前の課題しか頭になくなってしまう。
例えば洗濯物を畳んでいる途中にインターホンが鳴って宅急便の対応をしていたとして、その対応が終わった時には洗濯物を畳むことを忘れてしまっているということはあります。

これは一年以上前に奥さんから「普通は課題を本棚みたいに横に揃えるものが、ヒカルくんの場合は課題が上から降ってきて、積み重なる感じ。だから、同時進行は苦手だし忘れてしまう」と言われたのですが、これはその通りだと思います。

社会について思うこと

–一概には答えづらいと思いますが、ミスを許さない社会と寛容な社会なら、どちらが心地いいと思いますか?
光:ミスを許さない社会であるべきだと思います。悪気があってもなくても、ミスをしているという事実には変わりませんし、もっと言えばその悪気というものは相手からは見えないので尚更です。

–そう思うようになったきっかけはなんでしょうか?
光:奥さんの弥加さん(西出弥加:妻)と一緒にいるようになったからです。

「行動と精神は別」ということを教えてもらいました。例え気持ちでは大切と思っていても行動面で迷惑をかけていたら結局意味がないなと。それなら行動を変えるべきだ、と考えるようになりましたね。

あるとよいと思うサポートについて

–話が少し戻ってしまいますが、抜けやミスが多いという特性に対して、周りのどんなサポートや環境があると暮らしやすくなりますか?

光:他者からのリマインドだと思います。次何をして、何が必要かを把握している人がいて、且つ管理できる人がいれば、本人の抜けも多少は改善されると思います。

–たしかに。環境面が整えば個人が努力しやすくなりますもんね。例えば、ドアノブのところに張り紙で家を出るときのタスクが書いてあったとしても、特性上、視覚優位でない場合は、そのタスクに気がつかないこともありますよね。聴覚優位の場合は、家をでるときになにか音楽や音声が流れたりするといいかもしれませんね。

弥加:電気つけてくれたりとか笑。教えてくれたらいいのかも笑。

前回のインタビューのまま、弥加さん同席しています。

–今後、そういう科学技術が発展するといいかもしれませんね。

弥加:うちの叔母もADHDが強いんですけど、この前ブレーカー落としてました。きっと一つ一つ消すのを忘れちゃうからかもしれません。

自分よりも症状が強めの人と生活してみる

光:もしくは、ADHDの場合は、自分よりADHDが強い人と生活するのも手だと思います。

–それはどういう意味合いですか?

光:ADHDは、全体の流れを把握するとか逆算するのが難しい傾向があるので、自分以上に苦手な人と過ごし、スケジューリングをすることで、時間を逆算したり、段取りを立てる経験を積めると思います。

叔母さんを例にすると、病院に行く時に、15時に病院に連れて行くためには14時に家を出て、そのためには午前中には洗濯や掃除を済ませておいて、診察が終わる前におばさんの予定を聞いておき自分の予定とすり合わせて次の診察日を決めて・・・という感じで他人のスケジュールの管理をすると、結果的に自分を管理するようになるという面もあると思います。

–なるほど…。そうゆう視点は、支援側にはないと思います。

弥加:私はそれが救いでした。私、光くんと二人で名古屋に移って、全然仕事できなくて大阪まで移って。「なんだろう、ほんとに」って思ってたんですけど。

叔母が稼げるけど、抜けが多い人で。光くんの(おばさんより)抜けは少なくて、人の世話ができるという性格が、うまくマッチしたんだと思います。

–じゃあ、光さんは今、おばさんの仕事のマネージャーもしてるのですね。

光:結果的に、そういうことになりました。

–おばさんは、何のお仕事をされているんですか?
弥加:訪問介護の仕事です。

同じ特性の方へのメッセージ

–最後になりますが、ご自身と同じような特性で困っている人にメッセージはありますか?

光:もし特性に立ち向かうのであれば、誰かの真似をすることをオススメします。「この人になりたい」という人を一人見つけて、真似することだと思います。その人は、寧ろASDというか、几帳面な人である方がいいと思います。その人に認められた時が、貴方が特性を乗り越えた瞬間だと思います。

編集後記

今回は ADD(注意欠陥障害)の特性を持つ西出光さんにインタビューをさせて頂きました。インタビューではご自身の障害について、生活の困りごとについて、またどのようなサポートがあるといいのか、と言う観点でインタビューを実施しました。

インタビューの中で光さんは「努力」というキーワードを出していました。それは、自身の障害特性上の「できないこと」に対する努力ではなくて、違う文脈の努力がある、と言うメッセージでした。関わり方や支援のアプローチにもヒントになることがたくさんありました。

光さん、ありがとうございました。

まずはお気軽にご相談ください。